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知財用語集


この用語集について

この用語集は、清水敏が個人的に作成したものです。部分的な引用は結構ですが、全体をコピーするのはおやめ下さい。何か問題、提案などがありましたら清水までご連絡下さい。
単なる用語集ではなく、清水の個人的な感想とか実務上の注意点とか関係ないこととかなども入りますのでご用心下さい。

1


15 U.S.C.
米国商標法(United States code: Title 15の略)→ランハム法(−法)を参照
19条補正
(国際特許出願)特許協力条約第19条の規定により行う補正。19条補正は特許請求の範囲の補正に限定される。

3


34条補正
(国際特許出願)特許協力条約第34条の規定により行う補正。34条補正は特許請求の範囲のみでなく、発明の詳細な説明に対しても行うことができる。
35 USC
(【米国】特許法(United States Code: Title 35の略)
37 CFR
【米国】特許法施行規則のこと。Title 37 Code of Federal Regulationsの略。

A


Advisory Action
(米国)アドバイザリ・アクション。最終拒絶後の応答でも依然として拒絶理由が残っている場合に審査官が発行する。アドバイザリ・アクションの後は、拒絶されたクレームを削除して権利化するか、継続出願により権利化を図ることになる。日本における拒絶査定に相当する。
Aerotel and Macrossan
英国においてソフトウェア特許の特許性に関してなされた判決。英国特許庁は、この判決に伴い、英国特許庁におけるソフトウェア発明の特許性に関する判断基準を公開した。俗にAerotel and Macrossan Testと呼ばれる。
Association Internationale pour la Protection dela Propriete Intellectuelle(国際知的財産保護協会)の略称。清水敏も会員の一人。
AIPPI日本部会
AIPPIの日本支部に相当する公益法人。

B


Bilski判決(ーはんけつ)
CAFC 2009/10/30判決(最高裁に係属中)。ソフトウェア特許に関する判断基準をState Street Bank事件における「useful, concrete and tangible resutl」から「machine-or-transformation」テストに変更した。
BSKB
【米国】Birch, Stewart, Kosasch and Birch事務所のこと

C


CAFC
米国 Court of Appeals for the Federal Circuitの略。日本語では「連邦巡回控訴裁判所」と訳される。米国における知的財産権関係の訴訟の控訴審を主として担当する裁判所である。最高裁は上告を裁量でしか受理しないので、CAFCが最終審となる事件がほとんであり、その判決は米国における知財関係の実務を大きく左右する。単に「フェデラル・サーキット」と呼ぶ人もいる。
CDC
米国Cushman Derby and Cushman事務所のこと。Pillsbury に吸収されてしまって、今は存在していない。
CIP
→一部継続出願(いちぶけいぞくしゅつがん)を参照
claim
→特許請求の範囲(とっきょせいきゅうのはんい)を参照
closed term
tクレームのプリアンブルと構成要件の記載本体をつなぐTransitioanl termのうち、記載された構成要件以外の要件は含まないことが前提とされている語。特に化学関係において多用される。例えばconsisting ofがその例である。→Transitioanl termを参照→Open termを参照

D


de novo
覆審的な。最初から。審判、裁判等で、前審の審理結果に拘束されず、最初から審理しなおすことができる性質のこと。
Doctrine Of Equivalents (DOE)
→均等論(きんとうろん)を参照
D.O.E
→均等論(きんとうろん)を参照
Declaration
→宣誓書(せんせいしょ)を参照
DP出願
特許事務所で使用されているジャーゴンの一種。日本の出願人による日本出願のこと。D出とも呼ばれる。→FP出願を参照→JP出願を参照
DP中間
特許事務所で使用されているジャーゴンの一種。日本の出願人による日本出願について生じた中間処理のこと。D中とも呼ばれる。→FP中間を参照→JP中間を参照

E


EPO
【ヨーロッパ】→ヨーロッパ特許庁を参照
EPC
【ヨーロッパ】→ヨーロッパ特許条約を参照

F


Formstein objection
(ドイツ)均等論による侵害を申し立てられた潜在的侵害者が申し立てる非侵害の抗弁。被疑製品が従来技術から自明なものである場合には、それは均等の及び範囲内にはなく、したがって侵害ではない、とする抗弁。1986年の「成型された縁石事件」から。
FP出願
特許事務所では、事務所外の人には通じない多様なジャーゴンが使用されている。「FP出願」もその一つで、日本の出願人による外国出願のことをいう。事務所によってはこれを「内外出願」等と呼ぶこともある。外国出願をどのように呼ぶかは、事務所によっても変わる。多くは、弁理士が最初に所属した特許事務所で慣用されていた表現がそのまま生き残るようである。→JP出願を参照。F出とも呼ばれる。→DP出願を参照
FP中間
特許事務所で使用されているジャーゴンの一種。日本の出願人による外国出願に関連して生じた中間処理のこと。F中とも呼ばれる→DP中間を参照→JP中間を参照

G


Graham v John Deer Co.
1966年2月21日に米国最高裁でなされた特許侵害裁判の判決。自明性に関する判断において考慮すべき要因として以下を挙げた。
1.
従来技術の範囲及びその内容
2.
クレームされた発明と従来技術との相違
3.
当業者の技術的レベル
これ以外のいわゆる二次的考慮物(Secondary consideration)として以下を挙げた。
1.
商業的成功
2.
長い間臨まれていたにもかかわらず実現されなかったこと
3.
他人の失敗


H.262
MPEG2(動画画像圧縮の基本的規格)に関する標準。標準タイトルはInformation technology Generic coding of moving pictures and associated audio information: Video. MPEG2に関してはパテント・プールがある。

I


IDS
→情報開示陳述書(じょうほうかいじちんじゅつしょ)を参照
INIDコード(あいえぬあいでぃーこーど)
特許公報の先頭ページの各項目の意味を示すために、項目の種類別に割当てられた番号のこと。WIPOの規格ST.9に規定されている。各国共通であるため、外国語の公報の内容がわからなくても、このコードを見ると、その項目に対応する内容が何を表しているかを理解することができる。
→規格が公表されたWIPOのホームページ
→規格ST.9 (pdf)
Intrinsic Evidence
【米国】特許の民事訴訟において、事実判断に関する証拠として最も重要とされる証拠のことをいい、事件に関連する一連の文書のことをいう。特許に関する訴訟では、包袋一式のことをいう。事件の直接の関係者による証人による証言もIntrinsic Evidenceと呼ばれる。第三者の証言、教科書又は辞書による用語の解釈など、包袋外の証拠はIntrinsic Evidenceではなく、Extrinsic Evidenceと呼ばれる。
Invention
【米国】発明。新規で、自明でなく、有用なものであり、かつ実現されたもの。発想だけではInventionではない。
IPC
→国際特許分類(こくさいとっきょぶんるい)を参照

J


JP出願
特許事務所で使用されているジャーゴンの一種。外国出願人による日本出願のこと→DP出願を参照。J出とも呼ばれる。→FP出願を参照
JP中間
特許事務所で使用されているジャーゴンの一種。外国の出願人による日本出願に関連して生じた中間処理のこと。J中とも呼ばれる→DP中間を参照→FP中間を参照
Jus cogens
→強行規範(きょうこうきはん)を参照

K


KDコード
文献種別コード(Kind of Document)。INIDコード(あいえぬあいでぃーこーど)の中の13番(公報種別)に使用されている。WIPO規格ST.16に規定されている。
→規格が公表されたWIPOのホームページ
→規格ST.16
KSR事件
【米国】2007/04/30の米国最高裁判決。米国における非自明性に関し、それまでCAFCで採用されていたTSMテストがあまりに硬直的なものだったとして、非自明性の判定についてより柔軟にTSMテストを適用することを求めた。

M


MWE
米国McDermott, Will and Emery事務所のこと。

N


Notice Of Allowability
米国出願において、一部のクレームのみが特許可能であり、他に拒絶理由のあるクレームが存在する場合に、拒絶理由を通知する局指令中で特許可能なクレームについて示される審査官の見解のこと。
Notice Of Allowance (NOA)
米国特許庁より、米国出願について、すべてのクレームが特許可能となったことを出願人に通知する書面。クレームのうち、一部のクレームのみが特許可能であり、他に拒絶理由のあるクレームがある場合には、特許可能なクレームについて、局指令中でNotice Of Allowabilityが示される。
NOA
→Notice Of Allowance (NOA)を参照
Novelty
→新規性(しんきせい)を参照

O


Objection
【米国】方式不備による拒絶理由。例えば前置語がないにもかかわらず"said"が使用されていたり、拒絶されているクレームに従属したりしているクレームに対して、局指令中で発行される。
Open term
クレームのプリアンブルと本文との間を結ぶ語をTransitioanl termという。transitional termはクレームの構成要件を導く語であるが、その後に記載された構成要件以外の要件が入っていることを許すのがopen termである。open termの典型的な例は"comprising"である。"including"も同様。transitional termの後に続く構成要件以外の構成要件が含まれることを禁止する語をclosed termと呼ぶ。
Oxford comma
英文のクレームなどでX comprising: A, B, and CというときのBの後のコンマのこと。イギリスではこれを入れないのが普通で、逆にアメリカでは入れるのが普通だそうだ。ただし、いずれの国にも例外を主張する人又はスタイルブックが存在するらしい。

P


patent
現在では特許のことをさす。もともとはLetters Patent(特許状)という、国王などが商人に何らかの物品の独占的な取り扱いを許可することを示す書面のこと。
power of attorney
→委任状(いにんじょう)を参照

R


Recapture Rule
【米国】特許権を得るために、出願手続き中に放棄された権利範囲は、後の再発行手続きで取り戻す(Recapture)ことはできない、という暗黙の規則。
Rejection
【米国】日本における拒絶理由に相当する局指令。

S


Statutory bar
(米国)(1)法律により規定された拒絶理由。(2)米国出願より1年以上前にその発明について行なわれると、その出願の拒絶理由となる行為。グレースピリオドより前に行なわれた、発明の新規性を失わせる行為のこと。

T


Transitioanl term
クレームのプリアンブルと構成要件の記載の本体部分とをつなぐ単語のこと。"comprising"、"including"のようにその後に続く構成要件以外の構成要件が付加されることを許容するOpen termと、"consisting of"のように、それを許さないclosed termとの2種類がある。"essentially consisting of"のように、多少の不純物の混入を許す記載もある。
TRIPS協定

U


U.S.C. 35
【米国】特許法。U.S.Code Title 35の略
USPTO
→米国特許商標庁(べいこくとっきょしょうひょうちょう)を参照
unobviousness
(米国)非自明性

W


WIPO
→世界知的所有権機関(World Intellectual Property Organization: WIPO)を参照


アイディーエス
→情報開示陳述書(じょうほうかいじちんじゅつしょ)を参照
アサイニー
譲受人のこと。主として米国実務で使用される用語。米国では出願人は発明者であるが、企業に出願を譲渡することができる。この場合の譲り受けたものをアサイニーと呼ぶ。


意見書(いけんしょ)
拒絶理由通知を受けた出願人が、拒絶理由に承服できないときに審査官に対して提出する反論の書面。
一部継続出願(いちぶけいぞくしゅつがん)
米国における継続出願の一種。先に提出した出願に新規事項を加えて行なう新たな出願のこと。先の出願で開示されていた事項については、出願日は先の出願の出願日まで遡及する。一部継続出願で加えられた事項については、出願日は一部継続出願の出願日となる。日本における国内優先権主張出願に類似するが、期間的な制限がない点で相違する。
意思表示システム(いしひょうじー)
著作物を第三者が利用することについて著作権者があらかじめ了解している場合に、マーク表示などによりその意思及び/又は条件を示す仕組み
移転価格税制(いてんかかくぜいせい)
海外子会社との取引価格(移転価格)が通常の取引価格(独立企業間価格)と異なる場合に、移転価格を独立企業間価格に再算定して課税する制度
遺伝資源(いでんしげん)
動物・植物などの生物的資源であって、科学、経済等の観点から価値を有するもの
委任状(いにんじょう)
委任による代理人(例えば弁護士(べんごし))に対し、委任者が代理権を与えたことを証明するための書面。かつては特許庁に対する手続の全てについて提出することが必要であったが、現在では電子出願が普及して紙による委任状の提出が不便であるため、包括委任状の形で前もって提出し、後にそれを援用するケースが多い。また、特許庁は、特定の手続を除き、代理人により手続がされたものは、その代理人に代理権があると推定し、委任状の提出を求めない取り扱いとしている。
なお、包括委任状に対し、個別の事件に対する委任状を個別委任状と呼ぶことがある。
インターフィアレンス
【米国】先発明者主義(せんはつめいしゃしゅぎ)の米国では、同時に係属した出願について、どちらが先に発明したかが問題となるケースがある。これを解決するための手続がインターフィアレンスである。インターフィアレンスは、米国特許庁の審判及びインターフィアレンス部で、当事者対決構造によって行なわれる。先に出願した出願人はseniar partyと呼ばれ、後に出願した出願人はjunior partyと呼ばれる。
インターフィアレンスは、(1)両者とも特許前の場合、(2)一方が特許された場合、の二つの場合に生じうる。双方とも特許になった場合、インターフィアレンスではなく訴訟によっていずれが先発明かを決する。
インターフィアレンスでは、インターフィアレンス手続の開始を求める出願人は、抵触する他の出願又は特許のクレームと同一なるように自己のクレームを補正して、インターフィアレンスの手続の開始(インターフィアレンスの宣言)を求める。
一方が特許された場合、他方の出願人はその特許の付与の日から1年を経過した後は、先の特許と同一のクレームとなるように補正はできない(特許法第135条(b):The Regents of the University of California v. University of Iowa Research Foundation and Coley Pharmaceuticl Group, Inc., (Fed. Cir. 05-1374, 2006)を参照)。


エクィティ
衡平法。英米法においてコモン・ロー(普通法)に対する概念。中世イギリスにおいて、制定法では解決できない問題に対して国王が直接行なうことができる救済措置が生まれ、それが今日のエクィティの考えのもととなっている。制定法では紛争当事者の権利、主張、救済などが矛盾してしまう場合に適用される。エクィティにおける救済措置は差止である。エクィティは裁判官により判断され、陪審が関与することはない。
エンターテインメント・ロイヤーズ・ネットワーク
エンターテインメントに関するコンテンツ文化の振興および産業の発展に寄与することを目的とする、エンターテインメント分野専門の法律家などを中心とした団体


大阪高等裁判所(おおさかこうとうさいばんしょ)
大阪高等裁判所のホームページを参照。
大阪地方裁判所(おおさかちほうさいばんしょ)
大阪地方裁判所のホームページを参照。
応答(おうとう)
典型的には、拒絶理由通知など、特許庁から通知される書類に対し、出願人が拒絶理由の解消などを目指して意見書、補正書などを提出する行為のこと(応答する)。提出される書類のこともいう。
オフィス・アクション
→局指令(きょくしれい)を参照
オープンソースソフトウェア
ソースコードが公開され、誰でも複製、改変、配布などを自由に行うことができるソフトウェア
オムニバス・クレーム
「図◎◎に示される××装置」のように、図を引用する形式のクレーム。日本を含め、通常はこうしたクレームは不明確とされるが、イギリスのようにこうした形式のクレームを認める国もある。


開放特許(かいほうとっきょ)
権利者が他人に使ってもらってもよいと考えている特許
外的付加(がいてきふか)
請求項の構成要件に対する限定の追加の種類。既に述べた構成要件に加え、新たな構成要件を追加するのが外的付加である。→内的付加(ないてきふか)を参照
拡大された先願の地位(かくだいされたせんがんのちい)
後願の出願後に特許掲載公報の発行、出願公開、又は実用新案掲載公報の発行がされた先願の願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲若しくは実用新案登録請求の範囲又は図面に記載された発明又は考案に記載されている発明又は考案と同一発明についての後願は拒絶される(特許法第29条の2)。このときの先願は、特許法第39条に規定する先願には該当しないが、技術的に新しいものを開示していない後願に特許を与えることは妥当でないという理由から、先願と同様、後願の拒絶理由とした。なお、対象となるのは特許請求の範囲だけではなく、願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載されている発明である。さらに、後願に係る発明又は考案をした者が先願に係る発明の発明者と同一の者である場合を除く。
仮想クレーム
均等論に基づく侵害の成否を判断するために導入された考え方。クレームの文言範囲とイ号とを含むクレームを仮想的に考え(これを仮想クレームと呼ぶ。)、この仮想クレームが従来技術に対して特許要件を満たしていない場合には均等論による侵害が成立しない、とする。Wilson Sporting Goods Co. v. David Geoffrey & Association, 904 F.2d 677.; 14 USPQ 2d 1942 (Fed.Cir. 1990)
カルタヘナ法(−ほう)
「遺伝子組換え生物などの使用などの規制による生物の多様性の確保に関する法律」。「生物の多様性に関する条約のバイオセーフティに関するカルタヘナ議定書」が2004年2月19日に日本について発行し、同時にこの法律が施行された。遺伝子組換え生物については、この法律により承認を受けたものでなければ日本国内で飼育・販売などはできない。カルタヘナ法に基づく遺伝子組換え生物の承認状況は、バイオセーフティクリアリングハウス(J-BCH)のホームページで確認できる。
願書(がんしょ)
出願の必要書類の一つ。何を記載すべきかについては、法律により規定されている。特許出願であれば特許法第36条第一項に規定されている。
願番(がんばん)
特許出願の出願番号のこと。
願番通知(がんばんつうち)
出願後、特許庁でその出願に出願番号(願番(がんばん))を付与後、出願人にその出願番号を知らせるために発行する通知。かつて、特許出願が紙と郵便とで行なわれていた当時にはこの願番通知がよく発行されていた。しかし、電子出願が一般的な今、出願番号は出願と同時に「受領書」とともにオンラインで通知されるので、願番通知は過去のものとなっている。


棄却(ききゃく)
裁判、審判等で、実質的審理の結果、原告又は請求人の請求を認めないという結論を出すこと。→却下(きゃっか)を参照
技術的思想(ぎじゅつてきしそう)
発明の定義(特許法第2条)中に、「発明とは、自然法則を利用した技術的思想の創作のうち高度のものをいう。」とある。「特許法概説」によれば、技術的思想のうち、「技術」とは、一定の目的を達成するための具体的手段であって、産業上であると文化上であるとを問わず実際に利用することができるものをいう。」とされている。「技術的思想」は、技術のように具体的で、産業上実際に利用できるものであるのに対し、より抽象的、概念的な手段のことをいい、直ちに産業上でそのまま利用できる具体的なものではない。「思想」という語が使用されているのはそのためである。
機能的記載(きのうてききさい)
特許請求の範囲には、本来は発明を実施するための構成を記載する。しかし、構成そのものではなく、発揮すべき機能を以って構成の記載に代えることがある。そのような記載を機能的記載と呼ぶ。機能的記載をした場合、その機能を達成する全てのものが構成要件を充足するか否かについては議論がある。明細書の記載を中心としてそれと「均等」な範囲に限定される、とする考え方と、その機能を達成するものであればその全てが含まれる、とする立場がある。もし構成で書くことができるのであれば、機能的記載は避けるべきである。
却下(きゃっか)
裁判、審判等で、訴状、審判請求書の方式的不備、請求人不適格などの原因により、実質的審理に入らずに、原告又は請求人の請求を認めないという結論を出すこと。→却下(きゃっか)を参照
九点円(きゅうてんえん)
【幾何学】三角形の各辺の2等分点(3点)、各頂点から対辺におろした垂線の足(3点)、各頂点と三角形の垂心とを結ぶ線分の中点(3点)の9点は、同一円周上にある。この円を九点円と呼ぶ。
強行規範(きょうこうきはん)
いかなる国も無視することができず、条約によっても排除することができないとされている国際法上の高次の規範のこと。ラテン語でjus cogens(ユス・コゲンス)と呼ばれる。
局指令(きょくしれい)
広義には米国特許商標庁が発行する通知をいうが、狭義には米国特許商標庁が特許出願などに対し発行する拒絶理由通知のことをいう。英語ではOffice Actionという。
寄与侵害(きよしんがい)
米国contributory infringementの訳語。日本の「間接侵害」に相当する。
拒絶査定(きょぜつさてい)
出願に拒絶理由が存在すると判断したときに審査官が行なう査定。特許法の場合、特許法第49条に規定がある。
拒絶査定不服審判(きょぜつさていふふくしんぱん)
拒絶をすべき旨の査定を受けた者は、その査定に不服があるときは、その査定の謄本の日から30日以内に拒絶査定を取り消すべきことを求める審判を請求することができる(特許法第121条第1項。この審判を拒絶査定不服審判と呼ぶ。
拒絶理由通知(きょぜつりゆうつうち)
出願を拒絶すべき旨の査定をしようとするときに、出願人に意見を提出する機会を与えるために、審査官が特許出願人に対して行なう拒絶の理由の通知のこと。
均等論(きんとうろん)
特許発明の技術的範囲を、請求項の文言により定まる範囲より広く解釈すべき、という理論。わずかな変更で文言侵害を回避する者を放置するのは衡平法に反する、という思想から、米国で主に発達した。日本では学説ではともかく判決では長く認められなかったが、ボールスプライン事件に関する最高裁判決(最高裁平成10年2月24日第三小法廷判決)において、最高裁で初めて適用された。
ボールスプライン事件にいては、均等論の適用の要件として5つの要件が挙げられている。すなわち、(1) 対象製品等との相違部分が特許発明の本質的部分ではないこと、(2) その置換によっても特許発明と同一の作用効果を奏すること、(3)置換が侵害時において容易であったこと(4)対象製品等が、特許発明の出願時における公知技術と同一、または公知技術から容易に推考できたものではなかったこと、(5)その相違が、特許発明の出願手続において特許請求の範囲から意識的に除外されたものに当たるなどの特段の事情がないこと、である。
米国での均等論については、法律ではなく判例により確立されてきたという歴史がある。米国での均等とは、クレームの構成と実質的に同じ構成で、実質的に同じ仕方で、実質的に同じ結果が得られるときのことをいう。


グラハム判決
→Graham v John Deer Co.を参照
クリエイティブ・コモンズ
著作者などの意思を尊重し、権利を保有したまま(放棄せずに)著作物などを利用しやすくする取組のこと
グレースピリオド
発明が特許可能とされる要件の一つに新規性がある。原則として新規性が失われた発明については特許されない。しかし、新規性が失われた全ての場合について一律に特許化できないものとすると、例えば発明者が一国も速く自分の研究を発表した場合にもその発明に関する保護を受けることができなくなり、妥当でない。そこで、ある発明について自己が行なった行為については、その発明に関して特許を出願する前の一定期間前までさかのぼって、その特許出願についての先行技術とはしない、という規定を設けた国がある。例えば米国、カナダなどである。この期間をグレースピリオドと呼ぶ。米国、カナダにおけるグレースピリオドはともに1年である。
新規性喪失の例外(しんきせいそうしつのれいがい)と主旨は同じであるが、新規性喪失の例外はあくまで例外であって、日本では出願時に一定の手続が必要であるが、グレースピリオドの場合にはそのような手続は必要とされず、両者は異なる制度である。
クレーム
→特許請求の範囲(とっきょせいきゅうのはんい)を参照→請求項(せいきゅうこう)を参照
クレーム・ディファレンシエーション
従属関係にある請求項の間では、上位の請求項の方が広い範囲を包含し、下位の請求項の方が狭い範囲を包含しているはず、という前提で請求項の範囲を解釈すべき、とする主張のことをいう。従属請求項を作成するのは、クレームディファレンシエーションにより、上位の請求項を広く解釈させるためである、とする考え方もある。
クロスボーダーインジャンクション
欧州において、欧州特許の侵害事件に対する加盟国裁判所の管轄権を、他の加盟国にまで及ぼし、ある裁判所で、他の加盟国における被疑侵害の差止を行なうこと。欧州では一時こうした訴訟が多発したが、 Roche. v. Primus C.-593/03; GAT v. Luk, C-4/03によって否定された。
参考資料→最新欧州判例: 「クロスボーダー・インジャンクション」を葬る欧州司法裁判所判決( 前編、後編)(日本技術貿易ニュースレター)


継続出願(けいぞくしゅつがん)
米国特有の制度。アドバイザリ・アクションを受けた後、許可されなかったクレームを用いて新たな出願をしなおすこと。ただし、出願日は元の出願日まで遡及する。これに対し、明細書の内容を一部追加して新たな出願をすることを一部継続出願(いちぶけいぞくしゅつがん)と呼ぶ。どちらもよく利用される制度である。


構成要件(こうせいようけん)
ある発明が実施されたか否かを判定するために必要な要件のことをいう。装置の発明であれば請求項に記載された種々の要素が構成要件であり、方法の発明であれば請求項に記載された種々の工程が構成要件である。構成要件という言い方にも考え方が二つある。一つ一つの限定をすべて構成要件と呼ぶ考え方と、あるまとまった単位の要素を構成要件と呼び、残りの要素は各構成要件を限定するものである、という考え方とである。裁判などでは後者の考え方をすることが多く、問題となる請求項を分説した場合、各節が構成要件となり、各節中の個々の記載が、各構成要件の「限定」と呼ばれる。
構成要件列挙型クレーム
クレームの書き方の一種。前提と特徴、という形ではなく、構成要件を単に列挙する書き方。どこが新規な点であるかは、一見したところでは判断できない。米国におけるクレームの書き方の主流を成している。日本でも最近はこうしたクレーム記載の仕方が主流となっている。
公開公報(こうかいこうほう)
→特許公開公報(とっきょこうかいこうほう)を参照
公告公報(こうこくこうほう)
→特許公告公報(とっきょこうこくこうほう)を参照
後発品(こうはつひん)
→後発医薬品(こうはついやくひん)を参照
後発医薬品(こうはついやくひん)
後発品とも呼ぶ。特許された医薬品の権利が切れた後に、他社が発売する、同一成分の医薬品のこと。英語ではGeneric と呼ばれる。米国では、後発医薬品の承認にはANDA(Abbriviated New Drug Application)と呼ばれる申請を出すことが多い。
国際出願(こくさいしゅつがん)
特許協力条約(とっきょきょうりょくじょうやく)(PCT)に基づく特許出願のこと。いずれかの受理官庁に国際出願を提出すると、所定の要件を充足するかぎり、その出願は、指定国のすべてにおいてその出願日(国際出願日)に出願したものとみなされる。
国際特許(こくさいとっきょ)
よく新聞、雑誌に出ている物品の広告に「国際特許取得済み」などと書いてあることがあるが、「国際特許」なる用語はこの業界には存在せず、それが何かは不明である。類似の用語に「世界特許」がある。「○○国際特許事務所」といっても、「国際特許」を取り扱うのではなく、その業務は単なる「○○特許事務所」というのと同様である。外国に出願する業務が、「○○国際特許事務所」でしか行なえないわけではない。なお、外国に出願する際の日本における業務は弁理士の専業ではないので、弁理士資格を持たないものでも行なえる。日本弁理士会(にほんべんりしかい)は外国への出願の日本における代理業務も弁理士の専業にしようと運動しているが、正直な話、外国の制度について、日本の法律により資格が定められている弁理士の専業にしようというのは困難だろうと思われる。弁理士としては、外国出願に関する業務についても、外国代理人との個人的つながりをいかしてクライアントにとって最良の結果が得られるように努力し、それによってクライアントの信頼を得るのが最もよいことだ。
国際特許分類(こくさいとっきょぶんるい)
ストラスブール協定(ーきょうてい)により定められた、特許出願の技術的内容を示す分類。現在第8版が利用されている。
国内移行(こくないいこう)
国際出願(こくさいしゅつがん)において、国際段階から選択国の国内段階に手続段階を移す手続のこと。
国内優先権主張出願(こくないゆうせんけんしゅちょうしゅつがん)
特許法第41条に規定された特許出願。先の日本出願の出願日から、先の出願に基づく優先権主張をして日本の特許庁に対して行なう特許出願である。先の出願は、出願日から1年3ヶ月を経過したときに取り下げられたものと見なされる。国内優先権主張出願の内容のうち、先の出願の願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した内容については、先の出願の日に出願されたものと見なされる。例えば、基本的な発明を出願した後、その発明と後の改良発明とを包括的な発明としてまとめて出願する際などに使用される。
個別委任状(こべついにんじょう)
→委任状(いにんじょう)を参照
コモン・ロー
普通法。エクィティ(衡平法)に対する概念。
コンフリクト
→利益相反(りえきそうはん)を参照


再審査(さいしんさ)
米国実務におけるReexaminationのこと。再審査は、特許後に権利者を含め誰でも、いつでも請求可能な査定系再審査(米国特許法第30章)と、第三者が請求する当事者系再審査(米国特許法第31章)とに分かれる。性格としては日本の無効審判に類似しているが、権利者でも可能な制度が設けられている点が異なる。いずれの再審査も、請求後特許庁長官がその必要性を検討し、再審査を開始するか否かを決定する。いずれの場合もクレームの補正が認められるが、権利範囲を拡大する補正は認められない。
サーチ・レポート
先行技術調査報告のこと。例えばヨーロッパ特許出願、英国特許出願等では、実体審査に先立ってサーチレポートが作成される。PCT出願の場合にも、同様に国際調査報告(International Search Report: ISR)が作成される。
サーチレポートでは、主として発明の特許性に影響がある先行技術文献が挙げられ、各文献にその文献の重要度が記号で記載されることが多い。記号として「X」はその文献だけでクレームの新規性が阻害されることを表し、「Y」はその文献と他の文献との組み合わせにより、そのクレームの進歩性が阻害されることを表す。「A」は拝啓技術を表す。
サービス・マーク
業として役務を提供し、又は証明する者がその役務について使用する標章(ひょうしょう)のことをいう(商標法第2条第1項第2号)。
産業上の利用可能性(さんぎょうじょうのりようかのうせい)
発明が特許を受けるための三大要件の一つ。特許制度の最終目的は、その国の産業の発達である。したがって、特許制度の保護対象となる発明は、産業上利用可能でなければならない。医療行為は産業ではないとされるが、医療機器に関する発明、医療に使用される薬品などは産業上利用可能であるとされる。産業上の利用可能性は、三大要件の他の二つ(新規性(しんきせい)及び進歩性(しんぽせい))に比較すると、その有無について判断するのは容易である。
参照番号(参照番号)
→参照符号(さんしょうふごう)を参照
参照符号(さんしょうふごう)
発明の詳細な説明において参照する図面のうち、説明中で言及する部分に付する番号若しくは符号又はそれらの組合せのこと。


シー・アイ・ピー
→一部継続出願(いちぶけいぞくしゅつがん)を参照
ジェプソン形式(ーけいしき)
クレームの記載形式の一つ。「××である○○において、△△を特徴とする○○」のように、中間に「〜において」(又は同種の表現)があることが特徴。ヨーロッパ特許の実務では、"An apparatus including A, B and C, characterized by D」というような形式となり、「characterized by」以下が特徴部分となる。特にヨーロッパ実務では、「characterized by」の前は従来技術と見なされるので注意が必要。
自己指定(じこしてい)
PCTに基づく国際特許出願において、日本を指定国に含むこと。この場合、日本出願(先の出願)を基礎とする優先権主張を行なうと、PCT出願は国内優先権主張出願と見なされ、先の出願は出願日から1年3ヶ月を経た時点で取り下げられたものと見なされる。自己指定したPCT出願について国内移行をしようとしたときに、先の出願が日本でまだ生きていると勘違いし、日本の指定を取り下げると、先の出願は既に取下げ擬制されているため、結局日本でこの出願を係属させることができなくなる、という不幸が生ずる。特にみなし全指定となった後のPCT出願については注意する必要がある。
自然法則(しぜんほうそく)
特許法第2条に記載の発明の定義に、「発明とは、自然法則を利用した技術的思想の創作のうち高度のものをいう。」とある。ここでいう自然法則とは、自然の領域において経験によって見出される法則を言うものとされる(特許法概説)。経験則も含まれる。しかし、人為的な取り決め、数学的法則などは自然法則には含まれない。
実務上で自然法則が問題となるのは、ソフトウェア、特にいわゆるビジネス方法特許が自然法則を利用しているか否かである。
周辺限定主義(しゅうへんげんていしゅぎ)
クレームの文言によってその権利の及ぶ範囲の境界を明確に限定することにより、権利範囲を特定する主義。→中心限定主義(ちゅうしんげんていしゅぎ)を参照
出願人(しゅつがんにん)
特許出願、実用新案登録出願、意匠出願、商標登録出願等において、権利化を求める主体のこと。出願人は、出願のために提出する願書の記載により特定される。例えば特許出願の場合、ある発明について出願しようとするときには、発明者そのものか、発明者から特許を受ける権利を譲り受けたもののみがその発明に関する正当な出願人の資格を持つ。
なお、日本を含め大多数の国では、発明者から特許を受ける権利を適法に譲り受けたものであれば出願人となることができるが、米国では発明者しか出願人になれない。
情報提供制度(じょうほうていきょうせいど)
出願に係る発明の特許性などに関する情報を第三者が特許庁に提供できる制度。登録前(特許法施行規則13条の2)に限らず、登録後(同規則13条の3)にもできる。運営の実態などについては特許庁のホームページを参照。
情報開示陳述書(じょうほうかいじちんじゅつしょ)
【米国】先行技術に関する情報を開示するために出願人が特許庁に対し提出することが義務付けられた、先行技術をリストした書類。Information Disclosure Statementの略。
証明責任(しょうめいせきにん)
法律要件に該当する事実が、証拠調べの結果によっても存否不明の場合に、その事実の存在または不存在を前提として判断することによる当事者の不利益のこと(リーガル・リサーチ研究会編「実践判例検索」、第一法規、2007)
職務発明(しょくむはつめい)
使用者、法人、国又は地方公共団体(以下「使用者等」という。)の従業者、法人の役員、国家公務員又は地方公務員(以下「従業者等」という。)がその性質上当該使用者等の業務範囲に属し、かつ、その発明をするに至つた行為がその使用者等における従業者等の現在又は過去の職務に属する発明のこと。(特許法第35条1項)従業者等が職務発明について特許を受けたとき、又は職務発明について特許を受ける権利を承継した者がその発明について特許を受けたときは、使用者等はその特許権について通常実施権を有する。(特許法第35条第1項)
従業者等は、契約、勤務規則その他の定めにより、職務発明について使用者等に特許を受ける権利若しくは特許権を承継させ、又は使用者等のため専用実施権を設定したときは、相当の対価の支払を受ける権利を有する、と規定されているが(特許法第35条第3項)、その金額を以下に定めるかが問題となって多くの裁判が起こされた。
現在では一応、契約、勤務規則その他の定めにおいて前項の対価について定める場合には、対価を決定するための基準の策定に際して使用者等と従業者等との間で行われる協議の状況、策定された当該基準の開示の状況、対価の額の算定について行われる従業者等からの意見の聴取の状況等を考慮して、その定めたところにより対価を支払うことが不合理と認められるものであつてはならない、とする規定が特許法第35条第4項に規定され、こうした手続を踏んでいれば認められる、という解釈がなされているが、結局は不合理か否かは裁判によって定められることになる。
職務発明について特に話題となった裁判に日亜事件(青色ダイオード事件)、東芝事件などがある。
書類名(しょるいめい)
電子出願制度を採用するにあたり導入された概念。電子出願では、提出される書類が法律上のどの書類に該当するかが電子計算機で明確に処理できるようにする必要がある。そこで、オンラインで提出される各書類の先頭に、「【書類名】」という項目を作成し、この後に書類名を記載することとしている。
新規事項(しんきじこう)
願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載していなかった事項。補正では新規事項を導入することは禁止されている(特許法第17条の2第3項)
新規性(しんきせい)
特許を受けることができるために発明が備えるべき要件の一つ。発明が世の中に知られていないこと。
何を以って新規性が失われたか、と判断する基準は国により異なるが、日本では特許法第29条第1項各号に規定されている場合に新規性が失われたこととされる。
ただし、新規性が失われた場合に一律に特許とされないこととした場合に、研究意欲をそぐこともあり得るので、一定の要件のもとに、新規性が失われなかったと見なす規定が多くの国で定められている。(→新規性喪失の例外(しんきせいそうしつのれいがい)を参照
新規性喪失の例外(しんきせいそうしつのれいがい)
ある発明について特許を受ける権利を有するものの所定の行為によって、又は特許を受ける権利を有するものの意に反して、その発明の新規性が失われた場合、その発明については、その行為によっては新規性が失われなかったとみなす規定。特許法第30条。ただし、出願日が遡及するわけではなく、出願前に第三者の出願があったり、第三者により同様の発明の公開があったりすると、特許を受けることができなくなるので、出願を急ぐ必要がある。
審査経過禁反言(しんさけいかきんはんげん)
禁反言の一種。特許出願の審査経過において特許を受けるために出願人が述べた事項について、特許後にそれに反する主張をすることを許さない、とする原則。特に均等論の適用において問題となる。
進歩性(しんぽせい)
ある発明について特許を受けるための三大要件(産業上の利用可能性、新規性、進歩性)の一つ。公知技術に基づいていわゆる当業者が容易に発明をすることができた場合は進歩性なしと判断される。三大要件のうちでも最も議論になりやすい要件であり、進歩性の否定、進歩性の肯定、いずれの局面においても論理的に証明するのはむずかしい。なお、進歩性に関する規定そのものには技術の先進性についての要件に関する記載はない。したがって進歩性とは単に「公知技術に基づいて容易に発明できたか否か」を意味する、と考えるのが自然だが、公知技術と比較して有利な効果をもたらす場合には進歩性が認められやすいという事実を考えると、審査において技術の先進性又は技術水準に対する貢献が参酌されていることが多いと考えられる。もともと日本の審査実務は課題とそれを解決するための手段、という形で発明を捕らえるので、少なくとも特許庁の審査では、進歩性に関して技術の先進性または技術水準に対する貢献が比較的重要な役割を果たしているように思われる。


図面(ずめん)
特許出願、実用新案登録出願において、発明を説明するために添付する図のこと。特許出願の場合には必要な場合のみ添付すればよいが、実用新案登録出願の場合には必須。
図面の簡単な説明(ずめんのかんたんなせつめい)
特許出願の明細書中における4大項目の一つ。願書に添付した図面の各々について、その図面が何かを簡単に説明する。慣習として、一つ一つの図に関する簡単な説明は、「○○図である。」又は「○○図」という記載で終わることとされている。例外として、「フローチャート」がある。図面の簡単な説明では、願書に添付した図面の全てについて簡単に説明しなければならない。
ストラスブール協定(ーきょうてい)
国際特許分類(こくさいとっきょぶんるい)に関する協定。1971年3月24日に成立。1979年9月28日改正版が特許庁ホームページ資料室にある。


請求項(せいきゅうこう)
特許請求の範囲中の記載項目。特許出願人が特許を受けようとする発明を特定するために必要と認める事項のすべてを記載する(特許法第36条第5項)。請求項は、他の請求項を引用して記載することができる。他の請求項を引用しない形式の請求項を独立形式請求項と呼び、他の請求項を引用する形式の請求項を従属形式請求項と呼ぶ。請求項は、権利化後は一つ一つが特許発明の範囲を定めるため、その作成は慎重にしなければならない。理想的には、従来技術を含まず、かつ発明の思想を最大限広く捉えた記載形式とする。米国では請求項を「claim」(クレーム)と呼ぶ。
説明の発明な詳細(せつめいのはつめいなしょうさい)
「発明の詳細な説明」を言換えただけである。意味はない。
宣誓書(せんせいしょ)
米国などにおいて、特許庁に対して述べた事項が事実であることを宣言する書面。最も重要なものは、特許出願時にその出願に係る発明が出願人(発明者)のなしたものであることを宣誓する書面である。
世界知的所有権機関(World Intellectual Property Organization: WIPO)
1893年に結成されたBureaux for the Protection of Intellectual Property (BIRPI)を前身とし、1970年に世界知的所有権機関を設立する条約が発効したことにより設立された、国際的な知的所有権保護のための機関。主な目的は、(1)諸国間の協力によって全世界における知的所有権の保護を促進すること、(2)その管理に関する同盟間の協力を確保すること。本部はスイスのジュネーブにおかれている。現在行なっている主要な業務には、国際的な知的所有権条約・法の策定、国際的な保護システム及びサービスの提供、各国に対する知的所有権保護法制に関する援助、ドメイン名に関する調停及び仲裁センターの運営等がある。
先願(せんがん)
同一の発明について異なった日に二以上の特許出願があったとき、先になされた出願のことを、後の出願に対する「先願」と呼び(特許法第39条第1項)、その出願は「先願の地位」を持つ、という。特許出願が放棄され、取り下げられ、若しくは却下されたとき、又は特許出願について拒絶をすべき旨の査定若しくは審決が確定したときは、その特許出願は先願の地位を失う(特許法第39条第5項)。先願の地位を持つためには、特許出願は後の出願より先の日に出願されていなければならない。たとえ前の時刻に出願されていても、後の出願と同日であれば、その出願は先願の地位は持たない。
先願主義(せんがんしゅぎ)
同一の発明については、最も先の出願人のみが特許を受けることができる、とする制度(⇔先発明者主義(せんはつめいしゃしゅぎ))。ほとんど全ての国が先願主義を採用している。例外は米国で、米国では先発明者主義が採用されている。なお、先願主義及び先発明者主義とともに、先公表主義(せんこうひょうしゅぎ)を唱える人もいる。
先行技術(せんこうぎじゅつ)
英語ではPrior Art特許出願を拒絶する際に根拠とすることができる一切の技術のことをいう。ただし、国により先行技術の定義が異なる。例えば日本では特許法第29条第1項各号に規定されている技術が先行技術をなし、基本的に出願前に知られている技術はすべて先行技術となるが、米国では特許法第102条各号に規定されている技術が先行技術となり、例えば発明者(出願人)が米国出願よりさかのぼって1年前までに行なった行為はその出願については先行技術とはならない。ヨーロッパ特許庁では逆に、絶対新規性が要求されており、優先日前に世界のどこかで何らかの形で知られていた技術はすべて先行技術となる。
なお、出願人が自ら「先行技術」と認めた技術は、それが仮に法律上の先行技術に相当しなくても拒絶理由となり得る。特に米国、ヨーロッパで注意する必要がある。
先公表主義(せんこうひょうしゅぎ)
先願主義(せんがんしゅぎ)及び先発明者主義(せんはつめいしゃしゅぎ)が現在の世界の特許制度の二大主義であるが、これらと並立するものとして、特許出願までの一定期間、特許出願と論文発表とを対等に扱う、という主義がある。これを先公表主義と呼ぶ。(植村昭三、「『グレース・ピリオド』と産学連携」、L&T, No. 32, p. 1を参照)
先行詞(せんこうし)
関係代名詞の先行詞ではない。米国特許実務において、クレーム中で使用される「said」とか「the」とかいうように、その前にある単語の存在を前提とする語が使用されている場合の、その存在が前提とされている語のことをいう。方式拒絶のかなりの部分がこの「先行詞」がない、というものである。英語ではantecedent basisという。先行詞が見つからないことをlack of antecedent basisという。
全国支部構想(ぜんこくしぶこうそう)
日本弁理士会(にほんべんりしかい)は、東京に本会があり、近畿及び東海に支部がある、という変則的な組織形態をしていた。これでは組織形態がいびつである、ということで主として日本弁理士会近畿支部が主導して、全国をいくつかの地域に分け、各地域にそれぞれ支部をおくという運動がされた。これが全国支部構想である。現実に、日本弁理士会関東支部(にほんべんりしかいかんとうしぶ)日本弁理士会九州支部(にほんべんりしかいきゅうしゅうしぶ)等が創設されている。
先使用権(せんしようけん)
特許出願に係る発明について、その発明とは独立にその発明をするなどして、その特許出願の際に日本国内においてその発明を実施である事業又はその準備をしている者は、特許後もその発明について制限された範囲ではあるが通常実施件を有する。これを先使用権と呼ぶ。特許法第79条に規定されている。現に事業をしたり準備をしたりしている場合、それらのための設備を廃棄させることは国民的利益とならないためである。ただし、理屈として先使用権が認められることはわかっても、実際上、「実施」又は「準備」としてどの程度の要件が必要なのか、そのための証拠としてどのようなものが必要なのか、などについて多くの問題がある。特許庁先使用権制度ガイドラインを公表してこの制度の利用を図っているが、利用が普及するのはかなりむずかしいのではないかと考えられる。
前置報告書による審尋(ぜんちほうこくしょによるしんじん)
前置報告書に記載された審査官の見解を、審判請求人に示して陳述の機会を与える手続き
先発明者主義(せんはつめいしゃしゅぎ)
同一の発明については、最も先に発明したもののみが特許を受けることができる、とする制度。米国のみが採用している(⇔先願主義(せんがんしゅぎ))。先願主義では出願時期が明確なのと比較し、先発明者主義では発明が完成したときがいつかを決めることが困難である。そのため米国では、いわゆるラボ・ノートを管理することが常識となっている。日本の出願人であっても、米国に出願する際には先発明者主義の適用を受けるので、万が一に備えてラボ・ノートを管理しておくことが重要である。
専用実施権(せんようじっしけん)
特許権者の許諾により設定された範囲内で、業として特許発明の実施を専有する権利(特許法第77条)。専用実施権を設定した範囲では、特許権者といえども特許発明を実施することはできない。専用実施権の設定は、登録しなければその効力が発生しない(特許法第98条第1項第2号)。
専用使用権(せんようしようけん)
(☆)


ターミナル・ディスクレイマ
米国において、出願人(譲受人)が同一の複数の特許の権利範囲が重なる場合に、二重特許による拒絶を避けるために特許庁に提出する、権利期間の放棄宣言書。一般的に、出願時が最先の権利の終期まで、他の出願に係る権利の終期を短縮する。
多数項従属クレーム(たすうこうじゅうぞくー)
複数のクレームを引用したクレーム。通常は、従属関係が複雑になるので使用しないほうがよい。特に多数項従属クレームに他のクレームを従属させる際には、クレーム限定の整合性が問題となる。日本、英国などでは多用される。米国では多数項従属クレームに対しては高い料金が適用される。米国ではさらに、多数項従属クレームに従属する多数項従属クレームは禁止されている。


知的財産高等裁判所(ちてきざいさんこうとうさいばんしょ)
平成17年4月1日、東京高等裁判所の知財専門部をまとめて東京高等裁判所内の一支部として発足した、知的財産権関連の訴訟を専門に取り扱う裁判所。特許庁が行った審決に対する審決取消訴訟と、民事控訴事件(民事事件の控訴審)のうち,特許権,実用新案権,半導体集積回路の回路配置利用権及びプログラムの著作物についての著作者の権利に関する訴えの控訴事件とは、知的財産高等裁判所の専属管轄である。
中心限定主義(ちゅうしんげんていしゅぎ)
クレームに係る権利の及ぶ範囲を特定するにあたり、発明の中心的思想のみをクレームに記載し、特定のイ号との関連では、クレームを中心に、明細書の記載を参酌して、イ号が権利範囲に属するか否かを個別に判断する、とする主義。→周辺限定主義(しゅうへんげんていしゅぎ)を参照


追納(ついのう)
→特許料の追納(とっきょりょうのついのう)を参照
通常実施権(つうじょうじっしけん)
他人の特許権について実施をすることができる非排他的な権利。許諾による通常実施権(特許法第78条)、先使用による通常実施権(特許法第79条)、無効審判の請求登録前の実施による通常実施権(特許法第80条)、意匠権の存続期間満了後の通常実施権(特許法第81条、82条)、裁定による通常実施権(特許法第83条、92条、93条)、職務発明による通常実施権(特許法第35条)などの種類がある。許諾による通常実施権は、登録しなければ第三者に対抗できない。なお、特許権者との契約により、他人に通常実施権の設定を認めない「独占的通常実施権」というものもある。


デクラレーション
→宣誓書(せんせいしょ)を参照
手続補正書
特許法、実用新案法、意匠法、商標法において定められた手続きにつき誤りがあった場合、その手続きの誤りを訂正するために提出する書類。(様式→特許法施行規則11条、様式13〜15)


トーピード戦術
ヨーロッパにおいて、特許権者から警告を受けた侵害者が、特許権者により訴訟を提起される前に、訴訟手続が長期化することで有名な国(例えばイタリア)において、同じ当事者及び同じ特許権について、非侵害の確認を求める裁判を起こすこと。ヨーロッパにおいては、ブリュッセル規則第27条により、同一当事者間の同一主題の訴訟が、異なる加盟国の裁判所に提起された場合、最初に提訴を受けた裁判所の管轄が確定されるまで、それ以外の全ての裁判所は手続を停止することが要請されている。トーピード戦術はこうした規則を利用し、本来の管轄があるか否かを無視して、訴訟手続の遅い国において確認裁判を提訴することで裁判を長期化させ、権利者による権利行使を妨害する。
東京高裁'(とうきょうこうさい)
→東京高等裁判所(とうきょうこうとうさいばんしょ)を参照
全国8高等裁判所のうちの一つ。東京都千代田区霞ヶ関1−1−4。東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県、茨城県、栃木県、群馬県、静岡県、山梨県、長野県、新潟県の地方裁判所において行なわれた終局判決についての控訴裁判所。かつては知的財産関係の侵害訴訟、及び特許庁における審決の取消を求める審決取消訴訟の専属管轄裁判所であった。現在は東京高等裁判所内の一支部ではあるが、独立した運営を行なっている知的財産高等裁判所(ちてきざいさんこうとうさいばんしょ)がこれら裁判の専属管轄裁判所となっている。
入り口は二つに分かれている。右側は一般の入り口、左側は職員、弁護士、そして弁理士の入り口である。一般の人は入り口で手荷物検査を受けないと入場できない。危険物(刃物など)については、ここで預けて入場できる。
なお、英語ではTokyo High Courtと呼ばれている。
動物実験
医薬品、バイオ関連業界で研究のために行なわれる、動物を使用した実験。動物実験に関しては、「動物の愛護及び管理に関する法律の一部を改正する法律」(平成17年法律第68号)が公布(平成17年6月)され、平成18年6月1日から施行されている。動物実験に関する基準とは以下のとおり。
  • 動物の愛護及び管理に関する施策を総合的に推進するための基本的な指針(平成18年10月31日、環境小国時代140号)
  • 実験動物の使用及び保管並びに苦痛の軽減に関する基準(平成18年4月28日:環境小国時代88号)
  • 動物の処分方法に関する指針(平成7年7月4日:総理府告示第40号)
  • 農林水産章の所管する実施機関における動物実験などの実施に関する基本方針(平成18年6月1日、農林水産省)
  • 研究機関などにおける動物実験等の実施に関する基本方針(平成18年6月1日、文部科学省告示第71号)
  • 厚生労働省の所管する実施期間における動物実験等の実施に関する基本指針(平成18年6月1日:大臣官房課発第0601005号・厚生労働省大臣官房厚生科学課長通知)
特定侵害訴訟代理業務(とくていしんがいそしょうだいりぎょうむ)
特許、実用新案、意匠、商標若しくは回路配置に関する権利の侵害又は特定不正競争による営業上の利益の侵害に係る訴訟のこと(弁理士法第2条第5項)。弁理士法代15条の2第1項に規定する特定侵害訴訟代理業務試験に合格した弁理士で、その旨の付記登録を日本弁理士会(にほんべんりしかい)より受けた者は、訴訟の代理人となることができる(弁理士法第6条の2第1項)。
特定通常実施権(とくていつうじょうじっしけん)
2006年第166回通常国会において成立した改正産業活力再生特別措置法(改正案については経済産業省参照)において創設された特定通常実施権登録制度(包括的ライセンス契約ごとに通常実施権を登録する制度)の対象となるもの。包括的ライセンス契約によって許諾された特許権又は実用新案権についての通常実施権を特定通常実施権登録簿に登録すれば、通常実施権が第三者対抗力を具備することを可能にする精度。個々の特許番号を非開示としながら、通常実施権を登録することができる。2008年に施行予定。
特定不正競争(とくていふせいきょうそう)
特定不正競争とは、不正競争防止法(平成5年法律第47号)第二号第一項に規定する不正競争であって、同項第一号から第九号まで及び第十二号に掲げるもの(第四号から九号までに掲げるものにあっては、技術上の秘密に関するものに限る。)をいう(弁理士法第二条第四項)。
特許公開公報(とっきょこうかいこうほう)
特許出願は、出願日(優先日)から1年6ヶ月を経過すると速やかに公報により公開される。この公報を特許公開公報と呼ぶ。特許公開公報は未審査の特許に関する公報である。出願審査請求制度とともに導入された。出願日から出願審査請求までに猶予期間を設ける一方、出願日から一定期間経過した出願についてはこれを公開することで、出願の幾分かについては出願人が権利化をあきらめ、その結果審査が促進されるのでは、という思惑による。実際は思ったとおりには行かず、審査の滞貨が増大している上に、中国、韓国などの途上国が公開公報を入手して日本の技術を「盗んで」いるなどという批判が生じている。
公開公報に対し、審査後、登録された特許について発行される公報は特許公報(とっきょこうほう)である。かつて、付与前の異議申立制度があったころは特許公告公報(とっきょこうこくこうほう)というものも発行されていた。
特許協力条約(とっきょきょうりょくじょうやく)
Patent Cooperation Treaty、略してPCT(ぴーしーてぃー)とも呼ぶ。一つの発明に対して複数の国に出願しようとするときの出願人の負担、及び各国特許庁における重複した審査負担を軽減することを目的とし、特許出願の手続の一部を共通化し一つに集約する条約。パリ条約第19条の「特別な取極め」に該当する。出願人は、特定の官庁に対して出願するだけで、指定国の全てにおいてその出願日に出願したものとみなされる。この出願日を国際出願日と呼び、特許協力条約による特許出願を国際出願(こくさいしゅつがん)と呼ぶ。
特許公告公報(とっきょこうこくこうほう)
かつて、付与前異議制度が採用されていた当時、特許出願について審査の後、一応特許できると判断された出願について、公衆の審査に供するために発行した公報。この公報発行の日が、付与前異議の申立期間の起算の基準日となる。
特許公報(とっきょこうほう)
特許出願について審査の後、特許査定がされ、登録された特許について発行される公報。付与後異議の申立期間の起算の基準日となる。
特許請求の範囲(とっきょせいきゅうのはんい)
特許出願人が、特許を受けることを望む発明について文章で定義した書面。日本における特許出願の必要書類である。特許請求の範囲は1又は複数の請求項を含む。各請求項がそれぞれ発明を規定する。慣習により、各請求項は、特許を求める物品又は方法を示す名詞でおわる一文で記述する。
特許宣言書
技術標準に採用されるために特許権者が自己の特許権について技術標準に関するIPR検討グループに対して提出することが要求されている文書。その中では、合理的活非差別的に、当該技術標準に必須の自己の特許(出願中のものも含む。)に関する実施を許諾することが求められる。
特許発明(とっきょはつめい)
特許を受けている発明のこと。間が抜けた定義だが、特許法第2条第二項に規定されている。
特許法(とっきょほう)
特許に関する手続的側面、権利の性質、権利の行使、罰則、料金などを規定した法律。最近の度重なる改正で弁理士は悲鳴をあげている。
特許、実用新案、意匠、商標に関する出願の受理、審査、登録などを司る官庁。経済産業省の外局。
特許料の追納(とっきょりょうのついのう)
特許権者が所定の期間に特許料を納付しなければ、特許権は消滅するのが原則だが、その期間が経過した後であっても、期間経過後、割増特許料を支払えば納付することができる。この制度を特許料の追納と呼ぶ。
トリップス協定(ーきょうてい)
→TRIPS協定を参照
トレード・ドレス
商品の包装、商品の形状、容器の形状、ラベルのデザイン、色彩など、商品全体により受ける外観・印象であって、商品の出所を表す機能を得るようになったものをトレード・ドレスと呼ぶ。


浪花節クレーム(なにわぶしー)
クレーム形式の一つ「●●は、△△を□□して○○せしめ、◎に▲を■することにより、▽▽としたことを特徴とする、××」のように、「何が何して何とやら」という形で書いたクレーム。古い特許出願に多い。
内的付加(ないてきふか)
請求項に追加される限定の形式。既に述べた構成要件について、その構成をさらに詳細に限定するのが内的付加である。→外的付加(がいてきふか)を参照


弁理士法第56条により設立された法人。弁理士資格の保持者であっても、日本弁理士会に登録しなければ弁理士を名乗ることはできない(強制加入)。
日本弁理士会近畿支部(にほんべんりしかいきんきしぶ)
日本弁理士会の地方組織。近畿2府4県の弁理士が所属する。その主要な目的は、近畿支部を組織する弁理士の指導、連絡及び監督に関する事務、本会から委任された本会の事務その他必要な事務を行い、もって本会の目的達成と事業の推進に資することである(日本弁理士会会令第16号(近畿支部規則)第4条)。
日本弁理士会東海支部(にほんべんりしかいとうかいしぶ)
日本弁理士会関東支部(にほんべんりしかいかんとうしぶ)
日本弁理士会九州支部(にほんべんりしかいきゅうしゅうしぶ)


年金(ねんきん)
通常は、特許後、毎年支払う必要のある登録維持料金。外国の場合には、登録前の出願維持のための手数料のことも指す。


ノン・コン
Non-Conventionalの略。何らかの理由で優先権主張をせずに外国に特許などを出願することを「ノン・コン出願」と呼ぶ。例えば第一国での出願日から1年を経過したが、まだ世界中どこでも出願が公開されていないような場合、その発明の新規性は失われていない。したがって、ノン・コンで出願することによって、特許を取得できる可能性が残されている。


パーカー事件(−じけん)
大阪地裁昭和45年2月27日判決。日本における登録商標「PARKER」の商標権者が香港において販売した製品を、香港で適法に購入した第三者が日本に輸入する行為について、日本における登録商標「PARKER」の専用使用権者が大阪税関に輸入差止を申立てたことについて、本件商標につきなんら使用の権限を有しないものでも,同人のなす真正パーカー製品の輸入販売行為は,商標保護に照らし実質的には違法性を欠き,権利侵害を構成しない、として並行輸入(へいこうゆにゅう)を認めた判決。以後、商標権については、真正品の並行輸入が認められることが続いてきたが、フレッドペリー事件(ーじけん)(平成15年2月27日最高裁判決)において、並行乳の違法性が阻却される要件を挙げて、その限界が示された。
媒体クレーム
かつての日本の特許法では、プログラムは単なる情報であるとされており、それ自体は特許法の保護対象ではなかった。しかし、現実に電気関係のみならず、機械関係の発明のかなりの部分にコンピュータプログラムが関係してきたため、発明の保護にかける、という議論が生じ、その結果、実質的にプログラムを保護するいくつかの方策が考えられた。そのうちの一つが、「プログラムを記録した記録媒体」を保護対象とする、というものである。こうした記載を許すことにより、プログラムが媒体に記録されて流通する場合には、直接に媒体クレームを侵害することとなり、プログラムの保護が図られる、ということになる。
なお、現在ではプログラムは特許法の保護対象である「もの」と見なす、と特許法に記載されているため(平成14年4月の特許法改正(平成14年9月施行)による)、媒体クレームはプログラム自体の保護という観点ではあまり意味がなくなっているが、侵害物を抑える、という点ではある意義があると考えられ、依然としてクレームに使用されている。
パッシング・オフ
Passing off 英米法上の概念。自己の商品又はサービスを他人の商品又はサービスと誤認させる行為。例えば自己の商品に他人の商標を付して流通させること。パーミング・オフ(palming off)とも。O. & W. Thum Co. v. Dickinson, 245 F. 609, 621 (CA6 1917).→リバース・パッシング・オフを参照
発明(はつめい)
日本の特許法によれば、発明とは「自然法則を利用した技術的思想の創作のうち、高度のもの」をいう。他の国ではそのような定義規定をおいている国はないとされる。
発明の詳細な説明(はつめいのしょうさいなせつめい)
特許出願のための必要書類の一つ。特許請求の範囲に記載した発明を、いわゆる当業者が実施することができる程度に明確にかつ十分に説明した書面。(特許法第36条)
パテント
(1)いわずと知れた特許の英語をカタカナにしたもの(2)日本弁理士会(にほんべんりしかい)発行の会誌。会員以外でも、年間購読料10500円で購読できる。パテントの記事検索システムも存在する。
パテント・プール
特許の複数の権利者が、それぞれの所有する特許をライセンスする権限を一定の企業体又は組織体に集中し、当該企業体又は組織体を通じてパテント・プールの構成員等が必要なライセンスを受けるものをいう(特許・ノウハウライセンス契約に関する独占禁止法上の指針、平成11年7月、公正取引委員会)。ライセンス契約をどのように締結するかによって二種類がある。第1は、特許権者と企業体などとの間でサブライセンス契約を結び、企業体などと個々のライセンシーとの間で別のライセンス契約を締結する、という形態である。他の携帯は、企業体は特許権者の代理人として機能し、ライセンス契約は特許権者とライセンシーとの間で直接に締結する、という形態である。(参考:加藤恒著、「パテントプール概説 技術標準と知的財産問題の解決策を中心として]、発明協会)
パリ条約(ぱりじょうやく)
1883年に成立し、1884年7月7日に発効した、工業所有権の保護に関する条約。パリ条約の加盟国を「同盟国」と呼ぶ。主要な内容として、(1)内国民待遇の原則、(2)優先権、及び(3)特許独立の原則がある。同盟国の第一国への出願に基づき、パリ条約による優先権を主張して第二国に出願することを「パリルートによる出願」と呼ぶことがある。
パリルート
外国に特許出願するにあたり、パリ条約に規定された優先権を主張し、外国特許庁(又はその属する広域特許庁)に直接出願することを「パリルートによる出願」と呼ぶ。


ピーシーティー(PCT)
→特許協力条約(とっきょきょうりょくじょうやく)を参照
ビジネスモデル特許
ビジネスの仕方に関連する特許「出願」の総称。日本の特許法では、特許法の保護対象である「発明(はつめい)」は、自然法則を利用した技術的創作であるとの定義があるため、商売の仕方は特許されないことになっている。一方、米国では、State Street Bank事件のCAFC判決により、それまで特許されないことになっていたビジネスの方法が特許になるのでは、というブームが起こり、それが日本に押し寄せた形で同様の特許出願が多数行なわれた。特にインターネットの普及とともに、それまで存在していなかった商売の方法が出てきたこともあり、こうしたブームが後押しされた感がある。コレに対し日本の特許庁は、特許の保護対象が発明である限り、単なる商売の仕方は特許されないが、そうした商売を行なうためにコンピュータ、通信などの処理で技術的に新規な側面があれば、そうした技術的特徴を特許することはできる、としてビジネスモデル特許の沈静化につとめた。その結果、現在のところ日本のビジネスモデル特許出願の件数は激減している。
ヒッティング・ホーム戦略
「被告は原則としてその住所国の裁判所で訴えられる」というブリュッセル規則第2条に基づく、侵害を訴えられたものの戦略。侵害の警告を受けたものが、権利者による提訴前に、権利者の住所国で非侵害の確認を求める訴えを起こすこと。コレは権利者の住所国が訴訟手続の遅い国であったり、知的財産関係の訴訟に不慣れな場合に有効な戦略。
非自明性(ひじめいせい)
(米国)発明をなすことが、先行技術から見て自明でないこと。日本及びヨーロッパにおける進歩性(しんぽせい)と類似しているが、進歩性が、技術水準に対する技術的貢献を求めるのに対し、非自明性は自明でないことだけを問い、進歩性ほどの技術的貢献を求めない点で異なる。
標章(ひょうしょう)
文字、図形、記号若しくは立体的形状若しくはこれらの結合又はこれらと色彩との結合したもののこと(商標法第2条第1項柱書き)
ヒルトン・デイビス事件(−じけん)
【米国】クレームの均等論の適用にあたり、審査経過で行なった補正が従来技術を回避するためのものであれば均等論の適用が否定され、従来技術を回避するものでなければ均等論の適用が可能である、とした米国最高裁の判決(Warner-Jenkinson v. Hilton Davis Chemical, 41 USPQ 2d 1865 (1997))。
ヒルマー・ドクトリン
【米国】米国における特許出願の後願排除効は、現実の米国出願日から、とする実務。米国特許法第102条(e)の文言解釈による。他の国への出願を基礎とする優先権主張を伴う米国特許出願では、米国に現実に出願しないと、優先日と米国出願日との間の他人の出願を排除できない。これをヒルマー第1ドクトリンと呼ぶ。国際出願の場合には、国際出願日と米国特許庁への翻訳文提出日との間の他人の米国特許出願を排除できない。これをヒルマー第2ドクトリンと呼ぶ。


ファイルラッパー・エストッペル
→審査経過禁反言(しんさけいかきんはんげん)を参照
フェデラル・サーキット
→CAFCを参照
フォルムシュタイン・オブジェクション
→Formstein objectionを参照
不特許事由
政策的な面から特許保護の対象とならない事項として定められたもの。
フレッドペリー事件(ーじけん)
平成15年2月27日最高裁判決。パーカー事件(−じけん)で違法性が阻却される、とされた商標権に係る真正品の輸入について、違法性が阻却される要件として、(1)当該商標が外国における商標権者又は当該商標権者から使用許諾を受けた者により適法に付されたものであり、(2)当該外国における商標権者と我が国の商標権者とが同一人であるか又は法律的若しくは経済的に同一人と同視し得るような関係があることにより、当該商標が我が国の登録商標と同一の出所を表示するものであって、(3)我が国の商標権者が直接的に又は間接的に当該商品の品質管理を行い得る立場にあることから、当該商品と我が国の商標権者が登録商標を付した商品とが当該登録商標の保証する品質において実質的に再がないと評価される場合に、商標の使用をする者の業務上の信用及び需要者の利益を損なわず、実質的に違法性がない場合である、とした。
プロダクト・バイ・プロセスクレーム
物(特に物質)をクレームするときに、その構成、組成ではなく、製法によって特定するクレーム形式。クレームの対象はあくまで物であり、方法ではない。クレームに記載された方法以外の方法により作成された物質であっても、物質が同じ場合には権利範囲に入る。
分割(ぶんかつ)
二以上の発明を含む特許出願の一部を、その出願とは別の特許出願として出願すること(特許法第44条)。この出願を分割出願と呼ぶ。
分割出願(ぶんかつしゅつがん)
特許法第44条第1項の規定により、二以上の発明を含む特許出願から分割された出願のこと。適法になされた分割出願の出願日は、もとの出願の出願日までさかのぼる。


並行輸入(へいこうゆにゅう)
国内における特許権等の権利者が外国において適法に販売した製品を、第三者が外国で購入して日本に輸入する行為のこと。並行輸入が日本における権利を侵害するか否かについては、商標権についてはパーカー事件(−じけん)で、特許権についてはBBS事件で、それぞれ結論が出た。
米国特許商標庁(べいこくとっきょしょうひょうちょう)
米国における産業財産権の審査、付与などを司る役所。「United States Patent and Trademark Office」の略
ヘーグ協定(ー協定)
意匠の国際登録に関するヘーグ協定のこと。1925年に締結された意匠の国際登録システムに関する協定であり、現在29カ国が加盟。1999年にジュネーブアクトが採択され、2004年4月1日より発効。2006年8月14日現在、ジュネーブ・アクトの加盟国は19カ国。日本は未加入。ジュネーブ・アクトの加盟国は以下のとおり。
国名
加盟日
クロアチア
2004/04/12
エジプト
2004/08/27
エストニア
2003/12/23
グルジア
2003/12/23
ハンガリー
2004/05/01
アイスランド
2003/12/23
キルギスタン
2003/12/23
ラトビア
2005/07/26
リヒテンシュタイン
2003/12/23
ナンビア
2004/06/30
モルドバ
2003/12/23
ルーマニア
2003/12/23
シンガポール
2005/04/17
スロベニア
2003/12/23
スペイン
2003/12/23
スイス
2003/12/23
マケドニア
2006/03/22
トルコ
2005/01/01
ウクライナ
2003/12/23
弁護士(べんごし)
弁護士法に規定される資格を持つ、法律的事項を取り扱う専業資格。
弁理士(べんりし)
弁理士試験合格者、特許庁における所定期間の審査経験者、及び弁護士のうち、日本弁理士会に登録したものが名乗ることのできる資格。産業財産権全般に関する専業資格。
弁理士の日(べんりしのひ)
毎年7月1日。1899(明治32)年のこの日、「特許代理業者登録規則」が制定されて弁理士制度が発足したことを記念して制定された。残念ながら祝日でも休日でもない。
弁理士法(べんりしほう)
弁理士の制度を定め、その業務の適正を図ることにより、工業所有権の適正な保護及び利用の促進等に寄与し、もって経済及び産業の保護に資することを目的とする法律(第一条)。弁理士の職責、業務、登録資格、欠格自由、弁理士試験、特定侵害訴訟代理業務試験、登録、日本弁理士会(にほんべんりしかい)、弁理士の義務、責任、特許業務法人、弁理士法違反者に対する罰則等を定める。


防衛出願(ぼうえいしゅつがん)
どうしても権利化したいわけではないが、他社に権利化されると困る、という発明について、企業が防御的に行う出願のこと。1年6ヶ月たてば自動的にその内容が公開されるので、後願はこの出願を引用例として拒絶される。防衛出願は、特許庁における出願件数の増大の原因であるとする人もいる。
包括委任状(ほうかついにんじょう)
事件ごとではなく、予め一括して所定事項について代理人に代理権を設定することを示す書面。特許の電子出願制度の導入とともに導入された。
包括委任状を特許庁に提出すると、包括委任状番号が代理人に対して通知される。以後の手続ではこの包括委任状番号を援用することで、代理権の証明がされたものとして取り扱われる。
方式審査(ほうしきしんさ)
特許出願などを行なうと特許庁方式化で行なわれる出願書類の方式に関する審査のこと。特許法第17条だ3項の規定に相当する不備があるときは、補正指令が出される。実体的審査と対比される。
包袋禁反言(ほうたいきんはんげん)
→審査経過禁反言(しんさけいかきんはんげん)を参照
本願発明(ほんがんはつめい)
明細書中で、その特許出願で権利化を図る発明について言及するときの決まり文句。「本発明」とも。英語では"present invention"という。ちなみに、米国では、実施例の説明中で「the present invention」という文言を繰返し用いると、その文言に関連する説明が、その出願のクレームの限定と解釈されることがある。(Netcraft Corporation v. Ebay, Inc. and PAYPAL, Inc., CAFC 2008/12/9判決など)。同様のことは日本出願についても言える。「実施の形態」又は「実施例」と「本願発明」とは厳密に区別する必要がある。
ホールドアップ問題(−もんだい)
標準化された技術について特許権を持つものが、その特許権について高額のライセンス料を要求したり、ライセンス拒絶を行ったりすることで、標準化活動が阻害される問題のこと


マーカッシュ形式(ーけいしき)
クレームの記載方式の一つ。同種のグループのどれでも構成要件として選択できるが、全体を包括できるような記載ができないときに使用される。典型的には、「××は、○○と、○○と、○○とからなるグループから選ばれる」という形式になる。英語では「AA is selected from a group consisting of B1, B2, B3 and B4」という形式である。なお、米国人はmarkushを「マークッシュ」と発音するようである。
マークマン・ヒアリング
【米国】Markman Hearing。クレーム解釈について、判事及び双方の弁護士によって行なわれる手続き。マークマン判決(Markman v. Westview Instruments, Inc., 116 S.Ct. (1996).(において、「クレーム文言の解釈は、陪審ではなく裁判所の専権事項である。」との判決がCAFCにより出され、最高裁でも支持されたことに応じ、地裁において行なわれることが多くなった。ただし法律で求められているわけではなく、開かれない場合も当然にあり得る。


みなし取下げ(みなしとりさげ)
出願人が出願の取下げの手続を明示的にとらなくても、所定の場合に法律により取り下げたものと見なされることがある。この取下げを「みなし取下げ」と呼ぶ。例えば国内優先権主張出願に係る先の出願は、特許法第42条第一項の規定により、出願日から1年3ヶ月を経過した時点で取り下げられたものと見なされる。
ミーンズ・プラス・ファンクションクレーム
米国実務において、クレームの構成要件に具体的な名称でなく「means for -ing」形式で記載したクレーム。本来はクレームは具体的構成を書くことになっているのだが、米国特許法第112条第6パラグラフにより、具体的構成ではなく、機能で構成を特定するミーンズ・プラス・ファンクション形式のクレームも許容されている。この形式のクレームは以前は多用され、権利範囲も最も広く解釈されるものとなっていたが、現在では権利範囲の解釈は厳格化され、むしろ狭いクレーム形式とされている。日本でこれに対応するものとしては「機能クレーム」がある。米国以外では、機能クレーム的な記載方式の解釈に特に制約があるわけではない。ただし、その範囲が明細書の記載によってサポートされる範囲に限定されるべきであるのはもちろんである。


明細書(めいさいしょ)
特許出願のための必要書類の一つ。特許請求の範囲に記載された発明に関する名称、従来技術、発明が解決しようとする課題、解決手段、発明の作用、実施の形態、図面の簡単な説明などを記載する。明細書は特許請求の範囲に記載された用語の意味を解釈する上で参酌される(特許法第70条第2項)ため重要であり、特許法第36条に種々の要件が規定されている。


文言侵害(もんごんしんがい)
いわゆる「イ号製品」が、クレームに記載された構成要件の全てについて、文言そのままの形で一致する要素を含む場合、クレームに対する文言侵害である、という。均等論(きんとうろん)と対立する概念である。ただし、文言侵害か否かを判断するためには、クレームの文言の意味を定めなければならず、その後にイ号とクレームの文言との対比をする必要があり、いうほど単純ではない。


優先権(ゆうせんけん)
(1)パリ条約(ぱりじょうやく)により導入された制度。パリ条約の締結国(同盟国)の第一国に出願した出願人は、他の同盟国(第二国)に対し、第一国の出願に基づく優先権を主張して特許出願をすることにより、第二国においても、第一国における出願日と同様の利益を享受できる。


ヨーロッパ特許条約
【ヨーロッパ】European Patent Convention。略してEPCと呼ぶ。
ヨーロッパ特許庁
【ヨーロッパ】European Patent Officeヨーロッパ特許条約(EPC)によって設立された、ヨーロッパ特許を審査する機関。ドイツ・ミュンヘン。
要旨変更(ようしへんこう)
旧法における補正が適法か否かを定める基準。出願当初の特許請求の範囲に記載された技術的事項を変更することを要旨変更という。したがって、出願当初の特許請求の範囲に記載された請求項を増加し、減少し、又は変更することは、本来要旨変更である。ただし、これらが出願当初の明細書に記載した事項の範囲内である場合は、第三者に与える不利益はないので、出願人の便宜を考えて要旨変更ではないと見なされていた。また、出願当初の明細書に記載されていなかった事項であっても、特許請求の範囲に記載されない限り、補正で追加することは要旨変更ではなかった。したがって、極端な話であるが、出願当初の明細書に一行だけ書かれていた事項をもとに、これをふくらませて分割出願とすることもよく行なわれていた。特許庁の審査基準では、「明細書を補正した結果、特許請求の範囲に記載した技術的事項が出願当初の明細書に記載した事項の範囲内でないものとなったとき、その補正は要旨変更である。」とされていた。
要約書(ようやくしょ)
特許出願の必要書類。特許請求の範囲の解釈には用いられない。検索に用いられるため、通常の用語にしたがって発明の内容を記載する。


ライセンス・オブ・ライト
特許権者がその特許に係る発明について第三者に実施許諾の意思があり、ライセンスを拒否しないことを特許原簿に登録できる制度。欧州の一部の国(たとえばイギリス、ドイツ、及びフランス)で導入されている。このような意思表示をすると特許権の維持料金が割り引かれる制度が同時に採用されることが多い。
ランハム法(−法)
米国商標法。15 U.S.C「ラナム法」とも。
ラナム法(−法)
→ランハム法(−法)を参照


利益相反(りえきそうはん)
(弁理士から見て)利害が衝突するクライアントからの依頼を受けること。「コンフリクト」とも呼ぶ。弁理士法31条各号に規定されている。クライアントも、通常は競争相手の仕事をしている弁理士には仕事を依頼しないはずだが...。
リスポンス(りすぽんす)
→応答(おうとう)を参照
リスボン条約(りすぼんじょうやく)
原産地名称の保護等に関する条約。パリ条約(ぱりじょうやく)第19条の特別取極の一つ。書誌的事項については,国立国会図書館議会官庁資料室 を参照。
リバース・パッシング・オフ
reverse passing off 英米法上の概念。他人の商品又はサービスを、自己の商品又はサービスと誤認させる行為。例えば他人の商品の商標を破棄し、自己の商標を付して流通させる行為。Williams v. Curtiss-Wright Corp., 691 F. 2d 168, 172 (CA3 1982), Daster Corporation v. Twentieth Century Fox Film Corporation et al., (02-428) 540 U.S. 806 (2003) 34 Fed. Appx. 312.→パッシング・オフを参照
理由補充(りゆうほじゅう)
審判において、審判請求時には請求の理由の欄に「追って補充する」とだけ記載し、後に手続補正書によって請求の理由の欄を補正し実質的な理由を追加することがよく行なわれる。これを俗に「理由補充」と呼ぶ。もちろん、審判請求時に十分な内容の理由を記載するのが望ましいことはいうまでもない。しかし、例えば特許出願に対し拒絶査定がなされた場合、審判請求の期限は拒絶査定謄本の送達があった日から30日以内となっている(特許法第121条第1項)。30日という期間が審判請求の理由を作成するのに短いため、こうした実務がよく行なわれている。


レスポンス(れすぽんす)
→大阪高等裁判所(おおさかこうとうさいばんしょ)を参照
連邦巡回控訴裁判所(れんぽうじゅんかいこうそさいばんしょ)
→CAFCを参照


ロンドン協定(ろんどんきょうてい)
ロンドン協定は、ヨーロッパ特許条約第65条に基づき、オプショナルな協定として2000年10月17日に締結された協定で、ヨーロッパ特許条約に基づいて特許された出願を各国段階の権利とする時点で必要とされる翻訳に関する出願人のコストを軽減することを目的としている。2008年5月1日に発効。2008年7月3日現在の締約国はクロアチア、デンマーク、フランス、ドイツ、アイスランド、ラトビア、リヒテンシュタイン、ルクセンブルグ、モナコ、オランダ、スロベニア、スウェーデン、スイス及び英国の11カ国。最新の加盟国情報については EPO のウェブサイトを参照。ロンドン協定の加盟国については、EPOで特許時に公用3ヶ国語にクレームを翻訳した後は原則としてそれ以上の処理は必要ない。


ワーナー・ジェンキンソン事件
→ヒルトン・デイビス事件(−じけん)を参照
わさび漬け
静岡みやげ。水がきれいなところでしかできないわさびと酒かすとを用いた食品。主なブランドに小泉楼、田丸屋などがある。他の地方でもわさび漬けを製造しているところもあるけれど、やっぱり静岡が一番でしょう。
ワン・イヤー・ルール
【米国】ある発明について発明者がなしたその発明を公開する行為から、1年経過するまでに当該発明について米国に特許出願した場合、その行為は当該出願に対する拒絶理由とはならない。これをワン・イヤー・ルールと呼ぶ。公開されてから1年以上経過しても発明者が当該発明について出願しない場合、その発明はパブリックドメインに属するものとなる。

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